「人間形成」の一環として注目されているのが「音楽療法」です。
音楽療法は「人間同士のコミュニケーション」や「精神的な成長」を促す力を秘めています。
今回の記事では一見簡単そうに見えて奥が深い楽器「カバサ」を取り上げ、それを音楽療法に関連付けた記事を紹介します。
音楽療法におすすめの楽器 〜カバサ〜
カバサとは?
カバサとは南米の打楽器です。
アフリカにルーツを持つとされており、民族音楽、いわゆる「ラテン音楽」でよく使われています。
カバサの構造
カバサのは、丸い筒の周りに柄と巨大なボールチェーンを巻きつけたような形をした楽器です。
元々は「瓢箪(ひょうたん)」を核にして作られていました。しかし、耐久性の問題から、現在では瓢箪が使われることはほとんどありません。そのため、今ではプラスチック製のカバサが多く作られています。
カバサの演奏方法
カバサは、マラカスと同じように手首を振って演奏します。
しかし、カバサはマラカスよりも重いことが特徴です。
そのため、例えばキレのある演奏をしようと思えば、かなりの練習が必要となるでしょう。
しかし、叩き方や振り方を工夫することによって、幅広い演奏ができるようになっています。
カバサを音楽療法に落とし込んで考えてみる
カバサはシンプルな楽器のようですが、実は扱いが難しい楽器です。
しかし、安心してください。
工夫次第によっては、カバサも音楽療法で充分活用できる楽器となりうるのです。
カバサはコミュニケーションツールとして使える
カバサは、特に小さい子ども同士のコミュニケーションツールとしても活用できます。
身体のどこに当てても音がなるので、一種のリラックス器具として、使うこともできるのです。
つぶつぶの部分を身体のあちこちに押し当てて、音を出すことを楽しむだけではなく、マッサージとしても楽しむことができます。子ども同士であったり、大人と子どもであっても、互いの心の壁を取り払い、交流を深める良いきっかけになるのです。
音楽療法の目的の1つに「コミュニケーション促進」があります。楽器を通して、人との交流を図る機会を作るカバサは、まさしく音楽療法に適した楽器だと言えるのです。
カバサを通して「演奏の楽しさ」を学べる
カバサを通して、楽器演奏の楽しさを学ぶことができます。カバサの表現技法は以下の通りになります。
- カバサ本体を振って音を出す。
- 身体のあちこちに当てて、音を出す
- ボールチェーンの玉をカバサ本体にこすり付けて音を出す。
- ボールチェーンの玉をひねるように回して音を出す。
曲の雰囲気やリズムに合わせて、テクニック(手首の動き)を変える必要があります。
慣れない内は戸惑うこともあるでしょう。
ただ、大変なこと以上に、「自分の中から様々な音楽を奏でることができる」楽しさの方が勝るでしょう。
「自分たちの表現が伝わり、相手を喜ばせることができる」ことに気付くことができれば、音楽療法における「心身の発達」にも繋がっていくのです。
カバサは、心身の発達に通ずる楽器

カバサは音楽療法の中でも、かなりトリッキーな楽器であることが分かりました。
使い方も少し難しく、演奏方法を完璧に会得するまで時間がかかるため、あまりおすすめしにくい楽器なのかもしれません。
しかし、難しい楽器の演奏方法をあえて教えるということも、時には必要なのです。
うまくいかないこともありますが、頑張れば成功に結びつくこともある。
努力が報われることがあることを教えるのも音楽療法を実施する側の人間の責任なのです。
苦労する醍醐味を知ることで、「人間」を成長させる。
音楽療法における「心身の発達」にも通じているのがカバサという楽器なのです。