音楽本来、音楽には治療的な癒しの作用があります。
現代という時代では、音楽にどのような癒しの効果が求められているのでいるのでしょうか。
そして、どのように音楽の癒しの効果を活用していったらよいのでしょうか。
今回は、そんな音楽療法の意義と目的を理解を歴史のなかに辿ってみたいと思いますので、ぜひ最後までご覧下さい。
歴史から音楽療法の意義目的を理解する│音楽療法の目的を理解しよう!

地域の音楽の対比
音楽の本質は時間や空間を超越したところにあるが、その持つ意味や目的、影響力は、地域と時代によって異なります。
それはボルネオの未開人の音楽とニューヨーカーの音楽、また古代エジプトの音楽と現代イギリスの音楽を対比してみればわかります。
それぞれの音楽は時代状況を反映しつつその地に芽生え育ったものです。
ところが、わが国の現在の音楽状況は、いかに国際文化交流が進展したとはいえ、エスニック音楽ありシンセサイザーによる電子音楽ありで、古いものから先鋭的なものまで混在しています。
世界各地の各時代の音楽の中にしぶとく、古来のわが国の伝統音楽が息吹いている様は、異様といおうか、奇妙というべきでしょうか。
戦争と音楽療法
現代の音楽療法は、20世紀初頭にアメリカで始まった音楽家たちの精神病院への慰問演奏をきっかけに誕生したといえます。
第二次世界大戦後、アメリカの音楽療法は飛躍的に進展したが、それは、戦病兵士の慰問とリハビリテーションのために、米軍当局が一大音楽療法作戦を展開したことによります。
病院での音楽療法の活用
その後、精神病院で音楽療法は普及・発展し、現在ではホスピスなどのターミナル・ケアの場面で活用されたり、心身症をはじめとするストレス病の診療や、歯科治療のときの不安や痛みの緩和のためなどにも応用されるに至っています。
また、バックグラウンド・ミュージックとして手術室や診療室で用い、医療従事者の情緒の安定をはかるというかたちでも音楽は生かされています。
古代の音楽
現代の音楽療法は、最新の先端技術を駆使した機器を用いた、構造化された療法として、ストレス・ケアや心身の障害の治療、疾病予防、リハビリテーションなどに活用されるに至っていますが、音楽と人間とのかかわりの歴史をひもとくと、原始の時代から音楽は癒しの手立ての一つとしてありました。
古代ギリシャの音楽の神アポロンは、医療の神でもありました。
文献に残っている最古の音楽療法は、紀元前11世紀ごろのことで、ダビデがハープの演奏でユダのサウル王のうつ状態を治療したという旧約聖書の記載であろうとされています。
しかし、記述として残されてはいないとしても、音楽の持つ作用の特性から判断して推測すれば、リズムとメロディをその基本構成要素とする音楽は、もっと昔、有史以前から癒しの手段として用いられていたにちがいありません。
音楽と宗教
また、音楽は、宗教と結びついて人間に影響を与えてきた歴史があります。
未開文明社会では、音楽は呪術と結びついて治療や宗教に応用されてきました。 文化人類学者たちは、東南アジアやアメリカ、アフリカ、ヨーロッパなどの呪術時代の原始的な音楽の中に治療曲を見出しています。
未開社会においては、音楽は呪術や宗教と渾然一体となり治療的であり、医療音楽でもあったのです。
師という3つのタイプの治療者が存在したといわれているが、それぞれが紀元前15世紀のエジプトには、魔よけ析藤者ないし呪術者と、祭司、医者が音楽を用いていました。
セラピストとしての音楽家
また歴史を遡ると、音楽家たちはセラピストとしての役割をさまざまな文化社会の中で果たすことを要請されてきています。
古来、音楽に対する人間の反応は基本的には変わらず、病人の心身に及ばす音楽の効果は、古い時代から現代まで本質的には変わりないはずです。
音楽の治療的効果は、音楽そのものの効果に治療者・患者関係が修飾を加えたものになります。
当然、双方のパーソナリティや治療の態度の影古い時代においては呪術者や音楽祭司は権威的で、患者との関係は、現代の音楽療法における治療者との関係とはかなり違っており、その意味で、現代と古い時代とでは、音楽の療法的効果や作用に差異があると考えられ響も受けることになります。
時代によって意義目的は変化する

いかがだったでしょうか。
音楽療法は、時代によって意義目的が変わっていったことがわかったかと思います。
別の記事でも音楽療法の知識について解説していますので、ぜひご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございます。