0歳から12歳等の乳幼児期から学童期は「関心・認知・情緒」の機能を発達させていく時間と言われています。
そんな時間の中で親や教師に課せられる課題は、いかにして、子ども達の心を満たして、成長させられるかにあるのです。
そこで今回は、教育や医療、福祉の場で導入されている「音楽療法」の実践方法と生じる効果を3つ説明します。
子供のための音楽療法のやり方①:ダンス

「ダンス」は運動機能促進に有効なプログラムとして、音楽療法によく用いられます。
ダンスは「体の姿勢を一定時間保つ」「手足や視線の動きを合わせる」「音楽・リズムの変化に反応して動く」の3要素の働きが組み込まれています。
これらの3要素は子どもが苦手とする「運動機能」の土台となる「体がどのように動き、どんな結果をもたらすのかを理解する力」を強めることに繋がるのです。
実践していくにあたって、複数人の指導員を用意することをオススメします。
何故なら、自分の体をうまく使うことに慣れていない子どもの状態を確認するのには、複数名いた方が効果が見込めるからです。
子供のための音楽療法のやり方②:楽器演奏(集団)

音楽療法のやり方として「楽器演奏」もおすすめです。「楽器演奏」をすることで「ソーシャルスキル」の成長が促せます。
「ソーシャルスキル」とは人との関係を築く力です。
では、「楽器演奏」のどこに「ソーシャルスキル」を高める要素があるのでしょうか。
集団での「楽器演奏」の場合、自分の好きなタイミングで演奏することが許されなかったり、特定の楽器や1人だけで行う場面があります。
つまりは、「楽器演奏」にあたって1人1人が周囲の人間を意識し、都合を考えて行動することが求められることになります。
このことは自己中心的な考えに陥らず、相手を思いやることができる力を育むことにも繋がるのです。
子供のための音楽療法のやり方③:音楽を歌う

音楽療法②の内容とは真逆になりますが、今度は好きな音楽を自由に歌わせるのです。
自分を表現していくことへの苦手意識を減らすことで、それの基となる「想像力」を豊かにすることが目的です。
歌の上手い、下手ではありません。ただ一心に自分の気持ちを伝える場所を設け、それを誰かに聴いてもらう場面があることは自信を高め、「発達」の促進へと繋がっていくことになるのです。
音楽療法実施において注意点もある

「運動機能」「ソーシャルスキル」「情緒」の3点から「音楽療法」がもたらす影響について述べました。
ただし、「音楽療法」を実施していくにあたって2つ注意しておかねばならないことがあります。
1つ目は「音楽療法」を実施していくにあたっては、子どもと親、双方の合意があった上で行うことです。興味が持てないことを無理やりさせてしまうと、かえって悪影響が出るからです。
2つ目は実施することが決まったら、目標設定をしっかり行います。どんな力を育てたいのか、どんなことを実現していきたいのか、どう育って欲しいのかを明確にしなければなりません。
この2つをしっかり固めることでより良い成長過程を育むことに繋がるのです。