音楽の心理的作用は、音楽が古来「魂の薬」として用いられた長い歴史と、音楽の持つ摩訶不思議な能力とに関わっています。
今回は音楽のもつ「発散作用」を通じて、より音楽療法の理解をしてもらおうと思いますので、ぜひ最後まで御覧ください!
音楽による発散作用を理解する|音楽の心理的作用を理解する!

発散とは?
内に鬱積していたものが外に表現される状態を、「発散」と呼んでいます。
発散は、様々な表現手段によって可能になります。
とりわけ身体運動を伴うときは、極めて効果的です。
会話、芸術活動、スポーツ、娯楽、何でもよいわけです。
食事も発散に役立っていますし、ウィンドーショッピングも買物も立派な発散です。
男女の交合を至上の発散と考える人もいます。
音楽活動での発散について
音楽では、歌うこと、演奏することなどが素晴らしい発散になります。
カラオケを発明した日本人は、音楽演奏がいかによい発散であるかよく理解できるはずです。
音楽鑑賞での発散
しかし運動を伴わない鑑賞のような音楽活動でも、同じように発散が起こります。
鑑賞では、多くの場合、そのよく知った音楽を自分の中で「なぞり演奏」していることが経験されますし、知らない音楽でも、非常に関心を持って聴き入っている時は、演奏と同じような積極的な演奏参加があります。
そのような場合、自分の心の中で、エアコンならぬ心の内面の鋤き返しや換気が起こっていることが体験されます。
ですから発散では、自己表現の他に、ヴェンチレーション(心の換気)という概念も加えておくとよいかも知れません。
精神分析学上での発散
精神分析学に、行動化という概念があります。
この行動化は、心の中にある葛藤が不適切な形で生活場面の中で現れてしまうことを指しますが、これも1つの表現行動であり、たとえ不適切であっても、この行動化の中には発散的要素があることは否定できません。
音楽で鬱憤を晴らそう

いかがだったでしょうか。
音楽に精神的な発散効果があることはなんとなく分かりますが、しっかりと知識を深めておくと音楽療法の際に役立ちますね。
その他の音楽による感情への影響については、別の記事にて詳しく説明しますので、ぜひご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございます。