音楽療法のHow To

音楽療法の意味と効果を徹底考察!│音楽療法の目的を理解しよう!

音楽本来、音楽には治療的な癒しの作用があります。

現代という時代では、音楽にどのような癒しの効果が求められているのでいるのでしょうか。

そして、どのように音楽の癒しの効果を活用していったらよいのでしょうか。

今回は、そんな音楽療法の意味と効果について、考察しようと思いますので、ぜひ最後までご覧下さい。

音楽療法の意味と効果を徹底考察!│音楽療法の目的を理解しよう!

音楽の心理・生理的な作用や効果、さらには療法としての音楽のもつ効果について、これまでに明らかにされている点を研究者別に簡単に紹介します。

Diserens氏による音楽療法の効果に関する研究

Diserens(1926)は、研究の結果、以下のような知見を得ています。

  1. 音楽は体の代謝を亢進させる。
  2. ある種の音楽は筋力を減じさせ、またある種の音楽は筋力を増大させる。
  3. 音楽は循環血液量、加圧、脈拍数を変化させる。
  4. 種々の痛覚閾値を低下させる。

Schwabe, C. 氏による音楽療法の効果に関する研究

Schwabe, C. によると、音楽療法は、以上のような効果があると紹介しています。

  1. 感情の活性化
  2. 対人交流障害の除去
  3. 自律神経失調の改善
  4. 生活体験域の拡大

松井紀和氏による音楽療法の意味に関する研究

松井は、音楽の持つ心理・社会的意味として、以下のような特性を指摘しています。

  1. 音楽が知的過程を通らずに、直接情動に働きかける。
  2. 音楽活動は、自己愛的満足をもたらしやすい。
  3. 音楽は人間の美的感覚を満足させる。
  4. 音楽は発散的であり、情動の直接的発散をもたらす方法を提供する。
  5. 音楽は、身体的運動を誘発する。
  6. 音楽は、Communication である。
  7. 音楽は一定の法則性の上に構造化されている。
  8. 音楽には多様性があり、適用範囲が広い。
  9. 音楽活動には統合的精神機能が必要である。
  10. 集団音楽活動では社会性が要求される。

(松井紀和:音楽療法の手引、牧野出版、1980)

松井紀和氏による音楽療法の対象と目標に関する研究

さらに、松井氏は、音楽療法の対象と目標として、以下のように治療の一手段として、音楽を用いると紹介しています。

音楽療法の対象と目標

(A)児童領域
①精神発達遅滞
②情緒障害児
③喘息児の呼吸訓練
④寡黙児、チック症

(B) 思春期および周辺領域
思春期の心身の障害に、情動の適応的発散と適応的行動の獲得のために、音楽鑑賞や音楽演奏、音楽心理劇などの集団療法的手段として活用。

(C) 成人領域
①神経症圏
②心身症
③精神分裂病
④そううつ病

(D)老人領域
①音楽鑑賞による心理療法的方法
音楽を聞くことにより、精神活動を賦活化し、心理的リハビリテーションをはかる。
②直接音楽活動による活動療法的方法
・情動の発散、自己表現、コミュニケーションの回復、自我機能の訓練などの目的やレクリエーションやリハビリテーションの目的でも、音楽を活用する。
・個々の老人の心身の適応水準と欲求に一致した歌唱や演奏、舞踊などを行い、心身のリハビリテーションをはかる。

筒井末春氏による音楽療法に関する研究

音楽療法の効果としては、筒井末春氏は以下の3つを紹介しています。

  1. 抑圧された感情の表現
  2. 新しい自己イメージの形成をもたらす感情的葛藤の解決
  3. 人間相互の関係の中での新しい行動


また、臨床における具体的な音楽の適応として、以下の5つを紹介しています。

  1. 病院の雰囲気をよくするため
  2. 鎮痛のため
  3. 睡眠誘導のため
  4. 生体機能活性のため
  5. 老人患者のケアのため

永田勝太郎氏による音楽療法に関する研究

永田勝太郎氏らは音楽の生理的影響に関する研究の結果、音楽には生体をホメオスターシスに向かわせる効果と、生体をリラックスさせる効果があると説明しています。

そして臨床的には、心身医学的療法の補助的療法として、おもにリラクセーションを狙ったセルフコントロール法の一つとして音楽療法を応用することの意味を述べています。
(永田勝太郎他:心身医学からみた音楽療法、臨床精神医学18(12) , 1833-1838、1989)

Regulative Music Therapyについて

外来音楽療法としては、Regulative Music Therapy (RMT・調整的な音楽療法)があります。

これはShwabe, C.の創始したもので、音楽を聴くことで起きる心身のリラクセーションを拠り所としながら、「あるがまま」「受け入れて受け流す」客観的観察」などの精神的態度を会得していくのが本法の本質です。

これには個人療法と集団療法があり、週2回のセッションで3ヵ月で終了するのが原法です。

音楽療法の研究を有効に活用しよう

いかがだったでしょうか。

様々な研究者の知見を紹介しましたが、それほど音楽療法の研究は進んでいます。

すでに明らかにされていることをしっかり把握して、現場で有効に活用しましょう

最後までご覧いただきありがとうございます。