音楽は「認知症」を予防するのに非常に有効な手段です。
認知症とは、脳に何らかの誤作動が生じることによって、情報を認識し、実行していくための「認知機能」が上手く働いていない状態のことを指します。
そんな認知症を予防するために有効とされているのが、音楽を使った治療法「音楽療法」なのです。
今回の記事では、音楽療法を使うにあたって、効果的な音楽の種類を3つ挙げます。
認知症予防におすすめの3つの音楽

お勧めの音楽①自然音
認知症予防の際に有効な音楽の1つに自然音があります。
自然音の種類は以下の通りです。
- 川のせせらぎ
- 鳥の声
- 風のおと
- 雨のしたたり等々
文字通り、大自然に存在する音を音楽として抜粋したものになります。
自然音の仕組み
自然音は「ゆらぎ」を含んでいます。
ゆらぎとは音楽の中に存在する「規則的な動き」とは違う「不規則」な動きを指す部分のことです。
特に自然界に存在する音はゆらぎを多く含み、それが人間の持つ「生体リズム」と共鳴することによって、心地よさを感じるようにできているのです。
自然音が認知症対策に有効な理由
自然音は、認知症の方の不安と緊張を和らげるのに効果的です。
認知症にも自覚症状があります。それによって、今までの自分とは、違う行動をしてしまったことに対して不安と緊張を抱きやすくなるのです。
そこで自然音、ゆらぎが活躍することになります。
ゆらぎは心地よさだけではなく、自律神経を安定させることができます。それによって、不安や緊張感を和らげるだけではなく、全身の倦怠感も癒すことができるのです。
お勧めの音楽②童謡
童謡とは主に子ども時代によく口ずさんだ曲を指す言葉です。
その定義は多岐にわたります。
- アニメソング
- コマーシャルソング
- 特撮ソング
- ポップス
形は違えども、子ども時代の生活に寄り添う形での曲作りがなされています。
童謡が認知症対策に有効な理由
童謡が認知症対策に有効な理由の1つに「回想法」があります。
回想法とは、懐かしい、馴染みのある物に触れることによって、昔の経験や思い出を語り合う心理療法のことです。
認知症の方々の特徴の1つに「直近のことは覚えていなくても、昔のことはよく覚えている」ことが挙げられます。
そして、童謡は昔の記憶を思い出すのに適しているコンテンツなのです。
回想法が認知症対策に有効な理由
回想法が認知症対策に有効な理由は以下の通りになります。
- 昔のことを思い出し、話すことによって、脳が活性化される。
- 人に話を聴いてもらおうと思って、自発性や集中力が鍛えられる。
- 共通の話題を楽しむことによって不安を和らげ、コミュニケーション力を磨くことができる。
お勧めの音楽③クラシック音楽
クラシック音楽とは、ヨーロッパを中心とした西洋の芸術音楽を指す言葉です。
代表的なのが「バッハ、ベートーヴェン、ショパン」になります。
クラシック音楽は、17~19世紀の約400年にかけて生みだされた曲のことを指します。
クラシック音楽が認知症対策に有効な理由
クラシック音楽は人々の「感性」を働かせるのに効果的です。
クラシック音楽の特徴は、歌詞やタイトルがはっきりしていないことが挙げられます。それによって聴く人によってそれぞれ印象が違ってくるのです。
先入観なく聴いて、曲の内容を自分なりに分析して、印象を抱くことは、「感性」を磨くことにも繋がります。
感性を豊かにすることは、「脳」の健康促進にもなり、認知症の症状を遅らせることにもなるのです。
認知症予防には、人々の心身を癒す音楽を

認知症予防におすすめの音楽を3つ紹介しました。
内容は違えど、共通しているのは「人々の心身を癒すための音楽」だということです。
相手の趣味や嗜好を考慮に入れて、どの曲を実践していったら良いのかを吟味していく必要があります。