音楽療法のHow To

きれいな音楽とは?│音楽の歴史について深く知ろう!

音楽療法の歴史について、歴史の中に現れるいくつかの音楽療法の重要な概念を、時代を追いながら記述してみたいと思います。


その理由は、現在私達が用いている様々な音楽療法の技法が、実は歴史の中で1つ1つ積み上げられてきた過去からの遺産であることを知ることが、音楽療法理解にとても有意義だからです。

そして今回は、きれいな音楽の系譜について、ご紹介します。

きれいな音楽とは?│音楽の歴史について深く知ろう!

きれいな音楽ときたない音楽の系譜とは?

音楽の起源は、きれいな音楽ときたない音楽の2つの異なる音楽の流れで始まったと考えると、その後の音楽の発展史がとてもよく理解できるような気がします。

この2つの音楽は、それぞれ別々な状況から発生しました。


まず、きれいな音楽ときたない音楽のどちらが先に生まれたのかは明らかではありません。
でも音楽が最初に出現したとき、2つの異なる事態があったことは充分想像できます。

きれいな音楽の系譜の起源


農耕生活が始まるずっと以前、人々がその日その日の食物を狩猟にたよっていた頃、しかも人間が自然を支配する力はまだまだ充分でなく、人間も動物の中の一「種」として、自分や仲間の身を守って生きていかなければならなかった頃、恐らくそんな状況は気が遠くなるほど長い間続いたと考えられますが、人々は、今のサバンナの動物たちがそうであるように、周囲の自然の中の物音にとても敏感に反応し、色々な音の意味を的確に捉えて、それを身の安全のために利用していたと思われます。

その中には、危険を知らせる一連の音と、危険の去ったことを暗示する安全な音が判然と区別され、危険を知らせる音としては、動物の甲高い鳴き声や、木の葉や藪が突然騒がしく揺れる音、押し殺した唸り声、荒々しい切迫した人声など、聞く者に緊張を呼び覚ますあらゆる音が含まれていたと考えられます。

このような音に接したとき、人は周囲に注意を傾け、息を殺し、鳴りを潜めて、事態に備えたでしょう。

ある時は用心深くその場から立ち去ったかも知れませんし、ある時はすかさず飛び出して相手に立ち向かっていったかも知れません。


人が外部に注意を向けているとき、そこには音楽はなく、ただ生死を分ける緊張だけがあったと思われます。
ですから、その警戒が解け緊張が緩んだとき、人は安心して集まり、ほっと胸をなで下ろしたでしょう。

そのくつろぎの中で、あるいは、そこに楽しい食事が始まり満足した気分の中で、しぜんに人達の口から歌が洩れ、音楽が湧き出てきたに違いありません。

きれいな音楽の特徴


人間を取り巻く平和な楽しい気分が、音楽を生み出す原動力になったと思われます。


そのような音楽は、優しく、楽しく、陽気で、人の笑い声や人の幸福な気分とよく調和する音楽だったと思われます。

人間が緊張から解き放たれたときに生み出されたこのような音楽が、きれいな音楽の系譜を作り出していったのです。

現在に残るきれいな音楽

現在私達が接している様々な音楽には、このきれいな音楽に属する音楽が沢山あります。

食事どきの音楽、愛をテーマとした音楽、自然をテーマとした音楽、そして最近はやりの1/fの音楽など、さまざまなジャンルの音楽がそれです。

きれいな音楽による人間の体の影響


このきれいな音楽の系譜は、原始の長い人間の歴史との関わりの中で、人間の体の構造にも影響を及ぼしました。


私達の耳の神経の内で、鼓索神経と呼ばれる鼓膜に通じている神経がありますが、それは味を判断する舌の知覚神経の束の中を走っています。どうしてそんなことが起こっているのでしょうか。

それは味と聴覚が何らかの形でとても緊密な関係を持っていたからに相違ありません。


ここに1つの推論を立ててみましょう。

原始の人にとって、危険が迫っている時には、何をさて置いても、その場から離れ、事態に緊急に備えなければならなかったはずです。

そこではおいしい食事もすぐ投げ捨てなければならなかったでしょう。

自分の身の安全を保つために、おいしいおいしいと食物にしがみついては居られなかったのです。

ですから長い進化の過程で、聞こえてくる音の如何によっては、唾液がぴたりと止まったり、味がまずくなることが必要で、それが段々と体に記憶され、2つの神経が同じ道を通うようになったのではないかと考えられます。


周囲に安全が戻ったとき、味覚の神経と音楽の快さとはこの上なく良い関係で、音楽の美しさと優しさは食事のうまさを倍加したと思われます。

音楽の歴史から、音楽療法の理解を深めよう

いかがだったでしょうか。

音楽の系譜に2種類考えられることは、皆さんご存知でしたでしょうか?

きたない音楽の系譜については、別の記事でご紹介します。

最後までご覧いただきありがとうございます。