音楽を通して「健康」「情緒」面などに好影響を与える手段が「音楽療法」というプログラムです。
音楽療法の用途は老若男女問わず、様々な状況によって効力を発揮します。
今回の記事では、障がい者支援施設において、音楽の効果を充分に発揮していくにはどんな「スピーカー」を使えば良いのかを紹介していきます。
障がい者支援施設向け音楽スピーカーの選び方とおすすめ

音楽療法によって望める効果:リラックス効果を生みだすことができる
音楽を聴くことで「リラックス」ができると言う話を聞いたことがある人は多いと思います。
しかし、そのメカニズムを正確に理解している人は案外少ないのではないでしょうか。
どうして、音楽を聴くことでリラックス効果が生まれるのか。答えは、音楽と人間の生体リズムに含まれる「ゆらぎ」にあります。
ゆらぎとは、規則正しい音のリズムに含まれている「不規則な部分」を指す言葉です。
音楽と生体リズムに含まれている「ゆらぎ」が共鳴しあうことで、人はリラックスすることができます。
ちなみに、ゆらぎを多く含んでいるとされているのは「大自然の音」や「クラシック音楽」等です。
音楽スピーカーの選び方:色々な状況に対応できる
音楽スピーカーを選ぶ際は、色々な場所や状況で使えるものを選びましょう。
なぜなら、音楽を流すのは必ずしも施設内だけとは限らないからです。
大自然の中で聴くというシチュエーションもあれば、コンセントのせいで部屋が限定されてしまったりと、考えられるケースはいくつもあります。
導入する側の都合で、聴く側の利用者さんが左右されるのは不憫です。
なぜなら、色々な場所で音楽を楽しめたほうが、利用者さんの満足度も上がるからです。
だからこそ、そんな状況に左右されにくい、柔軟なスピーカーを選ぶ必要があります。
おすすめのスピーカー
おすすめのスピーカーとして挙げられるのは「ワイヤレススピーカー」です。
従来のスピーカーと違って「配線」問題に悩まず、どんな場所でも音楽を聴くことができます。
また、線がないことで、利用者さんが思わず線につまずいてしまう事態がなくなります。
更に、ワイヤレススピーカーは、持ち運びに便利です。
そして、イヤホンと違って耳の中を直接刺激する訳ではないので、聴力への負担が少ないのも利点の1つとなっております。
ワイヤレススピーカーの種類:Bluetoothスピーカー
Bluetoothスピーカーの長所と短所は以下の通りです。
Bluetoothスピーカーの長所
- コンパクトなタイプが多いため、場所を取らずに済む。
- バッテリー内臓タイプが多いため、比較的に長くもつ。
- 屋外でも使用できる。
- 複数台のスピーカーに接続できるタイプもあるので、より迫力のある音楽を楽しめる。
- スマートフォンやパソコン等と無線接続し、映画や音楽動画配信サービスの音を高音質で楽しめる。
- Wi-Fiスピーカーと違って、ルーター(データをネットワークで中継する機械)はいらない。
- 1対1の近距離通信を想定しているため、消費電力が少ない。
- 1台のスピーカーに対して、複数の端末から音楽を再生できる。
- スマートフォンの設定画面から「ON OFF」を切り替えることができる。
Bluetoothスピーカーの短所
- 伝送できるデータ量が少なく、圧縮されているためWi-Fiスピーカーと比べると音質は落ちる。
- 通信が不安定になる場合がある。コードを介さないワイヤレスであるため、不具合が生じるとデバイスとの接続が切れ、動作が鈍る。
- 長距離通信に適していないため、スピーカーとの端末との距離に気を付けなければならない。
複数台のスピーカーと組み合わせることで、高音質を再現できるのがBluetoothスピーカーの特徴です。
ただ、スマホ本体とスピーカーを比較的近づけておかないと使えないのが難点となります。
ワイヤレススピーカーの種類:Wi-Fiスピーカー
Wi-Fiスピーカーの長所と短所は以下の通りです。
Wi-Fiスピーカーの長所
- コンピュータ等で使用されているLAN回線を使用するため、伝送できるデータ量が大きく、高音質な再生が実現できる。
- 複数のスマホやタブレットで操作できる。
- Bluetoothスピーカーに比べて、音質劣化が少ない。
Wi-Fiスピーカーの短所
- 充電式もあるが、バッテリーの接続時間は基本短い。
- 無線LANフィルターが必要となる。
- Wi-Fiネットワークが利用できる環境でしか使えない。
Wi-Fiは周波数のによっても大きく用途が左右されます。
2.4GHzのスピーカーは、障害物が近くにいても音楽を届けることができ、スマホと離れていても電波が届きやすいです。
しかし、他の電化製品が発する周波数によって妨害されやすいのが欠点となります。
5GHzのスピーカーは音質が高く、通信が早くて安定していますが、障害物が近くにあるとうまく機能しにくいのが欠点です。
ネットワークやフィルターを用意しないと、上手く機能しないのがWi-Fiスピーカーの弱点となります。
しかし、その分、音質劣化がなく、高音質な音楽を提供できるのが利点です。
多少の費用と手間はかかりますが、利用者さんのことを考えていく上でも、導入する価値はあります。
いかに、Wi-Fiスピーカーが機能しやすい環境を考え、作り出していくのかが、ポイントです。
聴手を意識して購入しよう!

障がい者支援施設におすすめのスピーカーを2種類紹介しました。
それぞれに長所と短所があり、使い勝手が違うことが分かったでしょう。
使用する側の都合も大切ですが、音楽療法の主役は聴き手の利用者さんです。
1種類に固執してしまうのではなく、状況や利用者さんの反応を良く見て、効率よく使い分けていくようにしましょう。