音楽の活用法により音楽療法は細分化されています。
しかし、活動的音楽療法は、歌唱、器楽演奏、創作を意味します。
今回はそんな活動的音楽療法の種類について、ご紹介します。
活動的音楽療法とは?適応レベルごとのパターン別に紹介

早速、音楽療法実施形態を、それぞれの適応レベルの低いものから高次のものへと順次配列したものを紹介します。
これは患者が活動する時の難易度であって、治療者の技術を意味するわけではありません。
音楽療法実施形態①:直接音楽活動
(1)歌唱(S. S)
- 患者が表現した歌唱になる以前のものを治療者が楽器で創作してゆく形式
- 治療者の自由に任せて伴奏者が合わせるようにする形式
- 治療者が予め患者の好みを配慮して曲目を選択させて行う形式
- その場でいくつかの曲目の中から治療者に選択させて行う形式
- 特定の詩にメロディーを任意につけさせて音楽を創作させる(唱うことによる)形式
- 合唱形式(いくつかの形式が考えられる)
(2)楽器演奏(I.P)
- 治療者の行動パターンに最も近い楽器、あるいはその代理をする物体を使って自由に表現させる段階
- 治療者が楽器を使って2人の間で音楽的なものを創造する段階
- リズムを主体にした音楽形式の枠内で演奏させる段階
- メロディーとリズムを組合せた音楽形式で演奏させる段階
- 合奏(受持楽器の種類はそれぞれの適性に合わせる)
- 一定の秩序内で創造させる段階
(3) 創作(M.C)
- 一定の詩に任意のメロディーをつけて唱ってみる形式
- メロディーを再生する形式
- 楽譜表現をする形式
- 曲を吟味して完成する形式
音楽療法実施形態②:音楽を刺激として利用する活動
- 音楽による情緒刺激(音楽. 情緒) …鑑賞、B.G.M etc
- 音楽と身体的活動の協応(音楽. 情緒. 身体的活動)…舞踊、スポーツ、ゲーム etc
- 音楽と知的活動の協応(音楽. 情緒. 知的活動) …鑑賞、ゲーム、創作 etc
- 音楽と知的、身体的活動の協応(音楽. 情緒. 身体的活動.知的活動).…舞踊,スポーツ,ゲーム etc
(以上複雑さ、難易度により段階あり) 芸術療法 Vol.8, 1977より
個々の患者に有効な手段を選択しよう!

いかがだったでしょうか。
今回は、活動的音楽療法について、体系的にまとめました。
このような選択肢の中から、個々の患者にとって有効な手段を選ぶことになります。
他の記事でも音楽療法に役立つ知識を配信していますので、ぜひご覧くださいませ。
最後までご覧下さりありがとうございました。