自律神経や脳に呼び掛けることで、人間にリラックス効果をもたらすプログラムが「音楽療法」です。
日本ではあまり認知されていませんが、海外では「世界音楽療法大会」が開かれるなど、人々を癒す目的として活用されています。
今回の記事では、音楽の基本となる楽譜の読み方の基礎部分について紹介します。
楽譜の読み方基礎から解説!

楽譜とは一体何なのか?
楽譜とは「演奏」や「歌」を表現をするために用いられます。
一定のルールに従って、音符や音楽記号を用いるので「音楽の説明書」とも呼べる存在です。
楽譜を構成するモノ①音符
「音符=♪」は音の高さと音の長さを表現するときに使う記号です。
その種類は「2分、4分、16分」あります。
2分音符は、全音符(音の長さを決める基準とする音符)の半分の長さで、4分、16分と上がっていくにつれて、音の長さは短くなっていきます。
また「♪.」のように、音符に横点がついている音楽記号は元の音符の長さの1.5倍を意味する記号です。
さらに、音符と対応するモノとして「休符」の存在は欠かせません。
休符とは、音を吹くのを一旦ストップすることを指示した音楽記号です。
ただ、曖昧に休むことを指示するのではなく、休符の前に「2分、4分、8分」と時間を指示する言葉が付きます。
「2分休符」なら「2分音符」と同じ長さで休む意味です。
音楽を知らない人でも、音符は馴染みがある音楽記号だと思います。馴染みがあるからこそ、音楽を学んでいくにあたって、他の音楽記号と比べると学びやすいでしょう。
まずは音符をしっかり学んだ上で、基礎を固めていくことをおすすめします。
楽譜を構成するモノ②拍子
拍子は「time signature」とも言われており、音楽の時間の流れを分かりやすく表記した音楽記号のことです。
1番納まりが良いとされているのが「2拍子」と「3拍子」になります。
前者は「1,2 1,2 1,2」のように「弱く、弱く」で後者は「123, 123 123」と「強く、弱く、弱く」です。
2拍子は人間、3拍子は馬が歩くときのリズムで構成されています。
「自らの足で長い道のりを歩いていく生き物だからこそ、時間と密接な関係にある」。
この考え方と同じかどうかは、定かではありませんが、こういった自分特有の捉え方をすることによって、より学ぶ意欲が湧きます。
楽譜を構成するモノ③音楽記号
音楽記号とは、楽譜に用いられる「音の高さ」や「音の流れ」についての指示をするために作られた記号のことです。
その種類は10種類にも満たないですが、1つ1つ重要な役割を担っています。
音楽記号の種類③-1 反復記号
反復記号は、全体や一部分を繰り返して演奏するように指示する音楽記号です。
反復記号には以下の通りのものがあります。
「ter」⇒読み方は(テル)。指定された箇所を3回繰り返す。
「quater」⇒読み方は(クアテル)。指定された箇所を4回繰り返す。
反復記号の特徴は、その指示内容にあります。
例えば「曲を演奏したら、特定の反復記号が記された所に行き、演奏する」と言ったことです。
記号の意味と記号同士の繋がりをしっかり把握したうえで、演奏に臨むことが要求されます。
最初の頃は戸惑うと思うので、ある程度音楽に対する理解が深まってきてから、勉強することがおすすめです。
音楽記号の種類③-2 速度記号
速度記号とは、音の速さについて指示を出している音楽記号のことです。
その種類は以下の通りになります。
①「Presto」⇒読み方は(プレスト)。急速に。
「Vivace」⇒読み方は(ビバ―チェ)。活発に速く、生き生きと。
「Moderato」⇒読み方は(モデラート)。中ぐらいの速さで。
②「Tempo Primo」⇒読み方は(テンポプリモ)。曲の冒頭の速さで。
「Tempo Rubato」⇒読み方は(テンポルバート)。自由な速さで。
「meno mosso」⇒読み方は(メノ・モッソ)。今までより遅く。
前者の3音は「音の速度」を指定し、後者の3音は「曲の途中からの速度変化」を表しています。
特に後者の記号には要注意です。
「今までより」「曲の冒頭」という言葉が使われているので、曲全体の速さを把握しておく必要があります。
音楽記号の種類③-3強弱記号
強弱記号とは、音楽の強弱について指示した音楽記号のことです。
強弱記号には以下の通りのものがあります。
- 「pp」⇒読み方は(ピアニッシモ)。音をとても弱くする。
- 「mp」⇒読み方は(メゾピアノ)。音をやや弱くする。
- 「mf」⇒読み方は(メゾフォルテ)。音をやや強くする。
- 「ff」⇒読み方は(フォルティッシモ)。音をとても強くする。
強弱記号は、上記にあげたように「やや、とても」と言うように、曖昧な表現を使ってくることがあります。曲全体の流れをよく読んだ上で、どんな速さで演奏するのが適切なのかを見極めることが必要です。
音楽記号の種類③-4変化記号
変化記号とは、音に変化を与えることを目的として作られた音楽記号のことです。基礎となる変化記号は主に2種類あります。
- 「♯」⇒読み方は(シャープ)。音を半音上げる。
- 「♭」⇒読み方は(フラット)。音を半音下げる。
変化記号はこの2つを軸に応用します。例えば、シャープで半音上げた音を更に半音上げる「ダブルシャープ」やフラットで半音下げた音を、更に半音下げる「ダブルフラット」があります。
音楽記号の種類③-5発想記号
発想記号とは、作曲家の演奏時における「考え方」を音楽で表現していくために作られた音楽記号のことです。曖昧な気持ちを、具体的に表現していくために様々な記号作られています。
その種類は以下の通りです。
「Alla tedesca」⇒読み方は(アッラ・テデスカ)。ドイツ風に。
「Innocente」⇒読み方は(イノチェンテ)。無邪気な。
「Marziale」⇒読み方は(マルチアーレ)。勇壮に。行進曲風に。
発想記号は「地名」や「感情」「既存の曲」等の言葉をベースとして作られています。
作曲家の意図と演奏者独自の感性を汲み取って、表現してくことを指示した音楽記号です。
音楽記号の種類3-⑥音部記号
音部記号とと音の高さを定めた記号のことです。
- ト音記号⇒高音部を示すために使われる音部記号。
- ハ音記号⇒中音域の音を記すのに適している音部記号。
- ヘ音記号⇒低音部を示すために使われる音部記号。
演奏全体の根幹を成している音楽記号です。音部記号の意味を知っているか、否かだけでも全体の流れが変わるデリケートなモノなので、しっかり覚えましょう。
楽譜を構成するモノ④音階
音階とは音の高さの「段階」について表示した音楽用語となります。
ちなみに、音階の名称や内容は時代や扱う音楽によって違い、多種多様です。
今回は「伝統的な音階」で「クラシック音楽」においてよく使われている音階を2つ紹介します。
音階の種類④-1 長音階
長音階は、主音(曲の主役となる音)とその音から「全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音」の順で進んだ7種類の音を並べたもののことです。
ちなみに、この7種類の音は無作為に選ばれるのではなく、主音と調和することを目的として抜粋されます。
一般的に「陽気」「活発性」を表すと言われており、まさに伝統的な音階と呼ぶに相応しいです。
音階の種類④-2 短音階
短音調は長音調と対比して「全音、半音、全音、全音、半音、全音、全音」の順で進んでいきます。
一般的に「陰気」「悲しみ」「恐怖感」を表現するために使われることが多いです。
他にも枝分かれしているモノがあるのですが、基礎だけなら、この2つの仕組みを理解しておけば大丈夫と言えます。
コツコツ勉強して、覚えていこう

音楽記号の意味を知ることで、楽譜への理解が深まります。
楽譜を読むにあたってのポイントは、構成されている1つ1つの音楽記号をうまく読み解いたうえで、うまく組み立て、全体像を掴み、見通すことです。
最初は当惑うこともあるかもしれません。しかし、コツコツ根気よく勉強していくことで、形になっていくので、しっかり学習していきましょう。