「医学、福祉、心理学」の面から人間の成長を促す方法として注目されているのが「音楽療法」です。
今回の記事では「鑑賞する、歌う、演奏する」の観点から、音楽療法を始めるにあたって必要となる道具を3つ紹介します。
音楽療法をはじめるために必要な3つの道具

音楽療法に必要な道具①音源
一番手軽に音楽療法を実施していくのに適しているのが音を発声させる装置、俗にいう「音源」を使用することです。
再生装置1つあれば、音楽を流すことができるので、コスト的にも楽です。
ここでは音楽療法に適した音源を2つ紹介します。
音源の種類(1)「CDやパソコン・スマホ」
耳で「聴かせる」ことに特化した音源にCDやパソコン・スマホがあります。
この2つの音源のメリットとデメリットは以下の通りです。
CDのメリット
- パソコン・スマホに比べると持ち運びが簡単。
- パソコン・スマホに比べると複数の音楽が入ったCDを用意することができる。
- 音を場所に響かせることのできる範囲が広い。
CDのデメリット
- 単価が高い。
- 目当ての音楽を手に入れようと思ったら、手間がかかってしまうことがある。
パソコン・スマホのメリット
- 動画サイトやYouTubeなど音楽を検索できる範囲が広い。
- 音質が劣化する心配がない。
- 検索ワードによっては、相手や場面に適した音楽をたやすく検索できる。
パソコン・スマホのデメリット
- 広告等が入って、音が途切れてしまうことがある。
- サイトによってはお金がかかることもある。
音源の種類(2)「DVDとプロジェクター」
「聴覚」だけではなく「視覚」にも訴えかけることで、より鮮明に音楽療法の効果を体感することができます。
「視覚的影響」に特化した代表的な音源、DVDとプロジェクターのメリットとデメリットは以下の通りです。
DVDのメリット
- 再生デッキさえあれば、持ち運びは簡単。
- 好みに合わせて複数のジャンルのDVDを用意することができる。
- 場面転換ができるので、見る側と時間を合わせて、場面を切り替えることができる。
DVDのデメリット
- テレビに接続するため、人数によっては、うまく見れないこともある。
- 画面だけに集中して、音楽を集中して聴くことができず、効果が半減してしまう可能性がある。
プロジェクターのメリット
- パソコンに繋げて映し出すこともできるので、音楽のバリエーションが広くなる。
- 部屋を暗くしてプロジェクターを使うので、非日常感を味わうことができる。
プロジェクターのデメリット
- 基本「白い壁」がないと見づらいということもあり、映す場所が限られてしまう。
- 白い壁の代わりに「スクリーン」を用意する手もあるが、場所を取ってしまう。
音楽療法に必要な道具②歌
音楽療法における「自発性」や「活動性」を促進していくにあたって歌は有効です。
楽器演奏と比べると、技術やセンスをあまり必要としないので、取り掛かりやすいのも特徴的です。
歌う場合の注意点
- 子どもにしろ、大人にしろ、興味を持ってもらうためにもなるべく馴染みのある曲を選ぶ。
- 最初の内は恥ずかしくて、中々歌い出せない人もいるので、実施する側が率先して歌うこと。
- 歌っていない人がいても、責めたりせず、手拍子などを通して参加してもらうことを呼びかける。
音楽療法に必要な道具③楽器
楽器を通して、見知らぬ人と「演奏」という名のコミュニケーションを図ることができるのも、音楽療法の魅力です。
ここでは、楽器素人でも扱いやすい楽器を紹介していきます。
音楽療法を実施する際におすすめな楽器
(1)ドレミパイプ
ドレミパイプとは「ドレミ」の音程に調律された8本で1セットのチューブ型のパーカッション楽器です。
おススメの理由は以下の通りです。
- プラスチック製なので、柔らかく、身体にぶつけてもケガをせずに済む。
- 膝や太もも、机や床で叩いても音が出るため、比較的に場所を選ばずに演奏することができる。
(2)クワイヤホーン
クワイヤホーンとは最高25本で構成されている「吹く」楽器です。
おススメの理由は以下の通りです。
- クワイヤホーン1本で「吹き音」「吸い音」の2つの音が出せるため、音のバリエーションにたけている。
- 口に当てて、吹き吸いするだけで簡単に音が出せる。
- 1人1音ずつ担当するため、集団での演奏を体験することができる。
音楽療法のバリエーションは様々

3つの観点から音楽療法を実施していく際に必要となる道具を紹介していきました。
形のあるものや形のないもの、そのバリエーションは広いです。
それぞれの道具を状況や場面に応じ、使い分けることで、より良い効果が見込めます。
だからこそ、音楽療法を実施していくにあたっては、物事を俯瞰して見る「目」が必要になっていくのです。